2020年08月30日

他人事

『他人事~ひとごと』平山夢明
 集英社文庫

他人事








《from Book date bace》
交通事故に遭った男女を襲う“無関心”という恐怖を描く表題作、
引きこもりの果てに家庭内暴力に走った息子の殺害を企てる
夫婦の絶望(『倅解体』)。孤独に暮らす女性にふりかかる理不尽
な災禍(『仔猫と天然ガス』)。定年を迎えたその日、同僚たちに
手のひら返しの仕打ちを受ける男のおののき(『定年忌』)ほか、
理解不能な他人たちに囲まれているという日常的不安が生み出す
悪夢を描く14編。

《前説》
半月前くらいだったか
水曜日の仕事帰りに週間ザ・テレビジョンの発売日だったので
有楽町駅前は交通会館の中にある三省堂書店に入ったんだ。
テレビジョンの前に…まだ文庫本のストックはあるけど
久々に2階の文庫本コーナーを覗いてみたくなって行ってみたんだ。

表紙買いでタイトル買いの僕は
ほとんど平積みコーナーしか見ないのだが
ある棚に大きめの飛び出しPOPがついてて
『テレビであいみょんが絶賛!』
って書いてあったので
え?あいみょんが?絶賛!

あいみょんといえば僕は第ファンだし
ファンならば彼女がことのほか官能小説マニアだということも知ってる。
で…表紙を見たらエロっぽいイラスト!
こりゃあ絶対官能小説に違いない!
あいみょん絶賛する官能小説ってどんなのだろう?って
迷いもせずに他の本と一緒に買ってしまったんだ。

《読み終えて》
読み始めたら……
え?え?…ってくらいのホラー&サスペンスで
しかもおどろおどろしい。
各扉に残忍な物語を想像させるような
金属の道具たちが描かれていて
初めっかたこの話も
怖いよ…アブナイよ…酷い話だよって表紙で予告してる気がした。

「他人事」「倅解体」「他人事」「たった一口で」
「おふくろと歯車」「仔猫と天然ガス」「他人事」
「定年忌」「他人事」「恐怖症召還」「伝書猫」
「しょっぱいBBQ」「れざれはおそろしい」
「クレイジーハニー」「ダーウィンとべとなむの西瓜」
「人間失格」「虎の肉球は消音器」という17編からなる短編集だ。
from Book date baceには14編と書いてあるけれど誤植のようだ。
だって読んで数えたら17だったもん!

初めのから3つくらい読んで
他の篇の内容が読めてしまった感じだ。

残酷でどこまでも残忍であくまでも無慈悲で
徹底的に冷酷でまるで悪魔の飽食って感じなのだ
だから17の物語すべてにハッピーエンドは存在せずに
ただただ残酷な出来事が納得できないうちに
不完全燃焼に終わりを告げるなんとも許せない不可思議なエンディングなので
あ…これなら俺にも書けるかも…などと上から目線で思ってしまった
ハッピーエンドは存在したい…っていうところでは
大石圭さんの本と共通しているな。

あいみょんは大絶賛し
解説の人も大絶賛してたけれど
たぶんこの本は読者の感想がどっちかに分かれると思う!
すごく面白かった!最高だった!…っていう絶賛派か
いやぁ…まったくよくわからなかったし…気持ち悪いだけだったの拒否反応派のどっちか。

で…おまえはどうなんだい?って聞かれたら
後者かな?面白かった!とは言えなく
残酷な話ばかりで癖癖してしまい僕にはなんとも言い難い本だと思う。
なんとなく…ああ…そうなんだ…って感じる篇もあった。

17篇あるうちでたった一つだけ
これはせつなくって…胸にきたなぁ…って感じたのは
「ダーウィンとべとなむの西瓜」だけだった。
ただ…またこの人の同じような本を読みたいか?って聞かれたら
ごめんなさい!もう結構!って答えるだろうな。
あくまでも…僕はね。

そういえば
読み終えてカバーを外してもう一度表紙を見たら
エロいお姉ちゃんのイラストだとおもっていたけど
よく見たらお尻から矢印な尻尾が生えてて
頭には小さな角が出てた…つまり悪魔だったんだね。
いやはや…参ったなぁ。

なので次に読む本は同じ日に一緒に買った
官能系の小説で残酷系を洗浄しようと思ってるんだ。
2020.8.28-金曜日~帰宅途中に読了~
他人事



Posted by kazeken at 04:13│Comments(1)
この記事へのコメント
もしも~し。
大きなお世話ですが、その症状なら眼科には行ったほうがいいと思います。
確かに、なんじゃこの医者は!というような眼科医に遭遇したことはありますが、偶然親切でやさしい眼科医に出会って、本当に助かった事もあります。

私も健康診断で初期の白内障と言われました。
Gさんは本好きですが、目が悪くて本が読みずらくなりました。
私は、Gさんは白内障だと思いました。近所で老人が通院しやすい眼科を調べ、結局、山崎町の「すみ眼科」に通院しています。
山崎団地のはじっこです。バスが一時間に一本しかないので結構大変ですが、北里大学病院の通院を思えば贅沢は言えません。

私は初期の白内障で経過観察になりましたが、Gさんは手術を勧められました。
日帰りで片目づつ手術して、本人は手術して良かったといっています。
すみ眼科は、土曜日の午前中は診察して、女医さんです。
Posted by オレンジピール at 2020年08月31日 08:29
 
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